相続は誰にでも起こる問題です。
実際に相続の手続きが始まったら、どんな書類を集めれば良いか分からない人も多いのではないでしょうか?
相続の手続きには、書類を集めることから始まり、全て完了するまでに多くの時間を要します。
少しでもスムーズに手続きを終わらせれるように、相続の際に必要となる書類と注意点を解説します。
相続財産とは?
一般的に相続財産とは預貯金・不動産・有価証券・自動車・死亡退職金・生命保険などが該当します。
これらの財産を相続する場合は、それぞれの財産によって準備する書類や窓口は異なります。
相続財産 | 必要な書類 | 入手する窓口 |
---|---|---|
預貯金 | 残高証明書 | 銀行などの金融機関 |
不動産 |
不動産登記事項証明書 固定資産税評価証明書 |
法務局 不動産の所在する場所 |
有価証券 |
残高証明書 取引残高報告書 |
被相続人の自宅や金庫 証券会社 |
自動車 |
遺産分割協議書 車検証 車庫証明書 被相続人の戸籍謄本または除籍謄本 被相続人の戸籍の全部事項証明書 自動車を相続した人の実印または実印を押印した委任状 |
・遺産分割協議書:相続人と司法書士などの専門家と協力して作成 ・車検証:運輸支局もしくは検査登録事務所 ・車庫証明書:車庫のある場所を管轄する警察署 ・被相続人の戸籍謄本または除籍謄本:本籍地の役所 ・被相続人の戸籍の全部事項証明書:本籍地の役所またはマイナンバーカードを使ってコンビニで取得 ・自動車を相続する人の印鑑登録証明書:役所の窓口またはマイナンバーカードを使ってコンビニで取得 ・自動車を相続する人の実印または実印を押印した委任状:実印を押印して書類を作成 |
死亡退職金 | 退職金の支払通知書または源泉徴収票 | ・退職金の支払通知書または源泉徴収票:被相続人の勤め先 |
生命保険 |
生命保険支払い通知書 生命保険権利評価額証明書 保険契約のわかる資料 |
生命保険会社 |
- 預貯金
- 預貯金を相続する場合は残高証明書が必要です。残高証明書は口座がある金融機関に問い合わせて発行してもらいます。
- しかし銀行などの金融機関は、個人が亡くなったことを知った場合、個人の預貯金の口座を凍結することとなります。
- 当座の生活費が必要である場合やその他の事情で、預貯金の口座が凍結されて入出金の取引ができなくなると支障がある
- 場合は、金融機関に問い合わせをする前に、対処が必要であることも注意しましょう。
- 不動産
- 不動産は一般的に相続財産の中で資産評価がもっとも高く、相続税に大きく関わるとされています。まずは不動産の評価額を
- 調べておくことが重要です。その上で遺産分割協議を行うのですが、不動産は分割しにくかったり、評価の選び方により損得
- が生まれたりと、もめる原因となりやすいです。その後の兄弟関係等に影響が出ないように、評価額の調査依頼は信頼のおける
- 機関にお願いするようにしましょう。また相続を専門に扱う弁護士や税理士に相談するのも良いでしょう。
- 有価証券
- 有価証券とは手形・小切手・株券・債権・商品券の類を指します。中でも株券は預貯金と異なり価額が変動します。また株式の
- 分割方法も1通りではなく、それぞれの方法についてメリット・デメリットがあります。
- 自動車
- 自動車を相続する場合は名義変更が必要です。名義変更にはいくつかの書類が必要となります。名義変更をしないと売却や廃車
- はできません。もし名義変更しないままでいると、税金や保険などのトラブルの元となります。また車のローンの返済が残って
- いる場合なども注意が必要です。相続が発生した時点での残債と車の価値をよく確認してから対応するのが良いでしょう。
- 車検証上での所有者と使用者が誰になっているかを日頃から把握しておくのも重要です。
- 死亡退職金
- 死亡退職金は相続の対象に含まれないとされています。しかし故人の方の勤め先の退職金規定にて、遺族の生活保障の為という
- 規定でなかった場合は注意が必要です。また故人に借金があった際に相続放棄をする場合もありますが、その際に死亡退職金が
- 相続の対象になるか、ならないかという事も踏まえて考える必要があります。
- 生命保険
- 生命保険の死亡保険金は比較的高額となる為、相続する方も気になるところです。死亡保険金は『相続手続き』の対象とはなりませんが、『相続税の課税対象になる』ことを覚えておきましょう。生命保険には、相続税の基礎控除とは別で『みなし相続財産の控除 500万×相続人の数 』が認められることになります。控除額の範囲内であれば、相続税の負担なしに受け取れます。生命保険は加入される方のご意向に沿っているかが重要です。その上でご遺族の方が受け取る際に、どの様な課税がされるのか?他の財産も含めて検討する事が必要です。逆に賢く利用すれば、相続に関する問題を回避する事ができ、遺産分割や相続税の支払いを円滑に進める事に役立つこととなります。
誰もが相続は納得して、もめること無く終えたいと考えていると思います。
しかし現実はそうもいいかない場合が多いと思います。
インシュアランスヘルプデスクでは、保険のご提案だけでは無く、相続の際のご相談もお受けしております。
もし身近な人に万が一の事態が起こった時に、相続を争続(争う)にしない為に必要な情報を把握しておきましょう。
Written by eiki